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【奇問】令和2年度 日本語教育能力検定 試験Ⅰ問題2(4)の解説

令和2年度(2020年)日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ問題2(4)の解説です。

この問題の公式の解答は3ですが

解答速報を出した5校は全て正解を4にしています。私も本試験で散々悩みました。

答えが複数出てくる不適切な問題だと思いますので、やらなくても大丈夫です。

本試験で出てきたらスキップしてください。

スポンサーリンクLINE友だち募集中!はまをフォローする解き方①例がどんな誤用か考える解き方②選択肢が同じ誤用か検討(正解が3バージョン)連体修飾用法の例叙述用法の例解き方②選択肢が同じ誤用か検討(正解が4バージョン)他の解き方(正解が3バージョン)YouTubeで過去問徹底解説動画を見る 解き方①例がどんな誤用か考える

「おもしろいだ」→「おもしろい」

「だ」は名詞やナ形容詞につけます。

名詞の例)明日は雨だ。

ナ形容詞の例)スマホは便利だ。

「おもしろい」のようなイ形容詞にはつけません。

イ形容詞の活用形の誤用です。

スポンサーリンク解き方②選択肢が同じ誤用か検討(正解が3バージョン)

選択肢1

「豊か」はナ形容詞

後ろに名詞が来るとき、ナ形容詞は「~な」の形になります。

豊かな教養

ナ形容詞の活用形の誤用です。

選択肢2

「丈夫」はナ形容詞

「~し~し」の文型のとき、ナ形容詞は「~だ」の形になります。

丈夫だし

ナ形容詞の活用形の誤用です。

選択肢3

「近い」はイ形容詞

後ろに名詞が来るとき、イ形容詞は「~い」の形になります。

近いスーパー

あれ、正しい?

そう、活用形は正しいんです。

例)学校に近いスーパーは学生に会いそうなので行きません。

でも、選択肢3には違和感を感じます。

実は「近い/遠い」や「多い/少ない」は普通のイ形容詞とは使い方が違います。

このことを説明しているテキストはあまり見たことがないのですが

例えば『留学生のためのここが大切文章表現のルール』の第2課「言葉の形の使い分け」では

普通のイ形容詞とは使い方が違うイ形容詞を学ぶことができます。

出版社のウェブサイトには使い方もあります。

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形容詞には2つの用法があります。

連体修飾用法(後ろが名詞)と叙述用法(後ろが名詞じゃない)です。

連体修飾用法の例

・きれいな猫がいます〇

・小さい猫がいます〇

・多い猫がいます?

・安いスーパーで買いました〇

・近いスーパーで買いました?

叙述用法の例

・猫がきれいです〇

・猫が小さいです〇

・猫が多いです〇

・スーパーが安いです〇

・スーパーが近いです〇

以上の通り、「近い」や「多い」は、後ろに名詞をとりにくい(連体修飾用法では使いにくい)ということがわかります。

活用形は誤りではないけれど、そもそも「近い」という形容詞が使えないという誤り。

「近く」という名詞を使うべきです。

「遠い・違い」が名詞を修飾するときは「遠い・近い」を使う場合と「遠くの・近くの」を使う場合もあります。

現在地を基準にした距離を示す場合には「遠くの・近くの」を使います。

(1){〇近くの/×近い}コンビニまで買い物に行ってきた。

(2){〇遠くの/×遠い}方を見つめると目が休まります。

「~から遠い/近い」「~に近い」「~が遠い/近い」など、他の名詞句と助詞を伴って名詞修飾節になっているときは、「遠い・近い」を使う方が自然です。

(3)そんなに駅から{×遠くの/〇遠い}家では通勤が大変だ。

(4)結婚式が{×近くの/〇近い}人は時にゆううつになる。

『初級を教える人のための日本語文法ハンドブック』p354より

もっと詳しく知りたい方は篠崎大司著『二形態の連体修飾用法を持つ形容詞』をどうぞ。

選択肢4

「違い」は名詞あるいは動詞のマス形(違います)

「~のは」の文型のとき、動詞の普通形を使います。

違うのは

動詞の活用形の誤用です(マス形ではなく辞書形にすべき)

よって、答えは3

なお、初級で習う動詞のマス形を使う文型は

「~に行きます」「~方」などがあります。

例)銀座に寿司を食べに行きます(食べます)

使い方が分かりません(使います)

スポンサーリンク解き方②選択肢が同じ誤用か検討(正解が4バージョン)

各選択肢の誤用を直してみます。

1.「豊かの」→「豊かな」

「豊か」なナ形容詞です。

「の」は名詞+名詞(例:日本人の男)

「な」はナ形容詞+名詞

ナ形容詞の活用が間違っています。

2.「丈夫し」→「丈夫だし」

「丈夫」はナ形容詞

「し」を直接つけるのはイ形容詞。ナ形容詞には「だ」が必要

ナ形容詞の活用が間違っています。

3.「近い」→「近くの」

イ形容詞→名詞

イ形容詞の使い方が間違っています。

4.「違い」→「違う」

名詞→動詞

名詞の使い方が間違っています。

1から3は形容詞の誤用

4は名詞の誤用

よって、答えは4

スポンサーリンク他の解き方(正解が3バージョン)

何と勘違いしているかで分けます。

【】内は、ナ形容詞の活用になっているので、「面白い」をナ形容詞と勘違いしている。

選択肢1は「豊か」を名詞と勘違いしている。

選択肢2と4は、「丈夫」「違い」をイ形容詞と勘違いしている。

選択肢3は「近い」の使い方を勘違いしている。

選択肢1,2,4は品詞の勘違い

選択肢3は使い方の勘違い

よって、答えは3

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